2025/04/03
防災・危機管理ニュース
【エルサレム時事】パレスチナ自治区ガザの停戦交渉を巡り、イスラム組織ハマスは2日、先にイスラエルが提示した新たな停戦案について「追求しないことを決めた」として拒否する考えを示した。AFP通信が複数のハマス関係者の話として報じた。既に停滞状態にある交渉がさらに行き詰まる恐れが強まった。
イスラエル案は公表されていないが、同国メディアによると、40日間の停戦期間を設け、初日にハマスが人質11人を解放することなどが盛り込まれている。
ハマスはこれに先立ち、停戦仲介役のエジプトとカタールが示した別の案を支持すると発表していた。ハマス関係者によると、仲介案では停戦期間は50日間で、ハマスは米市民権保持者を含むイスラエル兵5人の人質を解放。その見返りとしてイスラエルが同国内で服役中の250人のパレスチナ人受刑者と、2023年10月以降に拘束した2000人の収監者を釈放することが定められているという。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相は2日、ガザ南部ハンユニスと最南部ラファを分ける区域について「モラグ回廊」として新たに掌握したと発表。「(ガザを)分断し、(ハマスが)人質を返すように段階的に圧力を強める」のが目的だと強調した。ロイター通信によれば、他地域と分断されたラファからは次々と住民が避難した。
イスラエルは既にガザの南北を分断する「ネツァリム回廊」なども掌握。報道ではガザの25%を占領する計画を進めているとされ、ガザの占領地拡大が進めば住民の移動や人道支援物資の輸送などがさらに困難になる可能性がある。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、3日はハンユニスで、イスラエル軍が避難先として指定した「人道地域」が攻撃を受けるなど、ガザ全域で少なくとも77人が死亡した。地元保健当局によると、同日午後までの24時間の死者数は100人に上り、イスラエル軍が大規模攻撃を再開した3月18日以降の死者は1163人となった。
〔写真説明〕2日、イスラエルの攻撃を受けたパレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで破壊された建物(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
企業理念やビジョンと一致させ、意欲を高める人を成長させる教育「70:20:10の法則」
新入社員研修をはじめ、企業内で実施されている教育や研修は全社員向けや担当者向けなど多岐にわたる。企業内の人材育成の支援や階層別研修などを行う三菱UFJリサーチ&コンサルティングの有馬祥子氏が指摘するのは企業理念やビジョンと一致させる重要性だ。マネジメント能力の獲得や具体的なスキル習得、新たな社会ニーズ変化への適応がメインの社内教育で、その必要性はなかなかイメージできない。なぜ、教育や研修において企業理念やビジョンが重要なのか、有馬氏に聞いた。
2025/05/02
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方