2025/04/09
防災・危機管理ニュース
【ワシントン、北京時事】トランプ米政権が打ち出した相互関税の第2弾が9日、発動した。貿易赤字が大きい約60カ国・地域からの輸入品に対し、個別に追加関税を課す。一律10%の基本税率分は発動しており、今回で完全適用となる。日本への関税率は24%。物価上昇や貿易の停滞、市場混乱などで、米国や世界の景気が悪化するとの懸念が強まっている。
相互関税への報復措置を打ち出した中国には、当初設定した34%に、さらに50%を上乗せした。すでに発動済みのものも合わせ、計104%の追加関税を課す。これに対し、中国は米国からの輸入品に課す追加関税の税率を10日から84%に引き上げると発表した。経済大国の米中が高関税をかけ合う事態となった。
第2次世界大戦後の自由貿易体制が崩壊する転換点となる恐れがある。先行き不透明感から、世界の株式市場は不安定な動きを続けている。
相互関税は、安全保障への脅威に対応する国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく措置。長年の巨額貿易赤字や製造業の海外流出を「非常事態」と位置付け、輸入コストを引き上げることで、製造業拠点の米国回帰を促す。
グリア通商代表部(USTR)代表は、米上院委員会の公聴会で「例外や除外措置を設けるつもりはない」と説明した。日中以外では、欧州連合(EU)に20%、韓国に25%、インドに26%、ベトナムは46%を課す。
米政権によると、米国から相互関税を課された70近くの国・地域が、関税を巡る交渉開始を求めており、トランプ氏は個別交渉に入るよう関係閣僚に指示した。
レビット大統領報道官は8日の会見で、交渉では「すべての選択肢が検討対象になる」と述べ、幅広い分野が議題になるとの見方を示した。また、「他国が米国を必要としているほど、米国は他国を必要としていない」と断言。巨大な国内市場を武器に、交渉を優位に進めることに自信を示した。
対日交渉はベセント財務長官とグリア氏が担当。日本の為替政策や農産物市場の開放、規制など非関税障壁の撤廃、経済安全保障分野での協力などが協議される見通しだ。
〔写真説明〕パネルを掲げ、相互関税について発表するトランプ米大統領=2日、ワシントン(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/26
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方