【ニューデリー時事】インド国防省は7日未明(日本時間同日早朝)、同国軍がパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。4月下旬にパキスタンとの係争地カシミール地方のインド側支配地域で起きたテロへの報復。パキスタン軍は、攻撃によって子供を含む少なくとも8人が死亡、2人が行方不明となり、35人が負傷したと明らかにした。
 パキスタンのメディアは、軍が反撃としてインドの戦闘機5機を撃墜したと報道。AFP通信によると、同地方の実効支配線を挟んで両軍が交戦し、少なくともインド人8人が死亡、29人が負傷した。核兵器を保有する両国が本格的な交戦に突入すれば、地域情勢の不安定化は必至だ。
 インド側は、軍事作戦の標的がカシミール地方を含む計9カ所で、インドに対するテロを計画・指揮する拠点だったと主張。パキスタン軍の施設は標的にしておらず、攻撃の対象や手段の選定では対応がエスカレートしないよう自制したとしている。
 これに対しパキスタン外務省は、インド空軍が自国領空にとどまりながら民間人を標的にしたと批判。「インドの無謀な行動は、二つの核保有国を重大な紛争へと近づけた」と非難した。 
〔写真説明〕7日、パキスタン東部パンジャブ州で、インドによるミサイル攻撃を受けた現場に向かう救急車(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)