DIYブームで身近になった電動工具で事故が相次いでいる。国民生活センターと消費者庁が共同運営する医療機関ネットワークには、2019年4月~25年1月に186件の事故が報告された。同センターは、適切な保護具を着用するなど、正しい使用を呼び掛けている。
 工具の種類別では、「丸のこ、電動のこぎり」が最多の66件、次いで「チェーンソー」が42件だった。負傷部位別では「手・腕」が約8割で、工具に手を近づけ過ぎたり着衣が巻き込まれたりしてけがをする傾向にあるという。
 20年4月には、丸のこで木材を切っていた60代の男性が誤って左薬指を切断。70代男性は作業中に手元が滑り、跳ね返ったチェーンソーで右太ももに重傷を負った。
 同センターは、電動工具を使用する際は素手が基本だとした上で、振動の大きいチェーンソーなど手袋を装着した方がいい場合は、手の大きさに合う革手袋や防振手袋を選ぶ必要があると指摘。繊維が巻き込まれる可能性がある軍手は使用してはいけないとしている。
 他の対策として、保護メガネの着用や、加工材をきちんと固定することなどを挙げた。割れた刃が飛んでけがをするケースがあるため、使用前の点検も重要だという。
 同センターの担当者は「電動工具の危険性を理解した上で使用してほしい」と話している。 
〔写真説明〕電動工具を使用中に指が接触する事故を再現した様子(国民生活センター提供)

(ニュース提供元:時事通信社)