2025/06/04
防災・危機管理ニュース
トランプ米政権による鉄鋼・アルミニウムの関税引き上げに、関連業界が神経をとがらせている。鉄鋼は米国向け輸出の割合が全体の1割に満たないが、アルミとともに幅広い製品の材料となることから、間接的な影響が広範囲に及びかねない。
財務省の貿易統計によると、2024年度に日本が輸出した鉄鋼3135万トンのうち、米国向けは107万トンと全体の約3%。金額ベースでも3000億円弱と7%程度にとどまる。アルミとその合金は数量が約9%、金額は約11%を占めるが、輸出額そのものは224億円と規模が小さい。
このため、鉄鋼業界は関税引き上げの影響について「売上高に占める割合は小さい」(神戸製鋼所)と、冷静に受け止めている。ただ、対象品目など詳細はまだ明らかになっておらず、各社は「関税が上がる製品と上がらない製品をしっかり見極めていく」(中部地方の鉄鋼メーカー)と情報収集を急ぐ。
米国では、4月に自動車の関税を引き上げた影響が表れ始めている。鉄鋼関税が追い打ちとなる可能性もあり、JFEスチールは「自動車のサプライチェーン(部品供給網)がどうなるか、状況を注視する」と警戒する。米国で生産を手掛ける自動車大手の関係者は「現地で部品調達に影響が出ないように、政府は交渉を急いでほしい」と話した。
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
-
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/06/05
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/03
-
-
気候変動適応がBCPにもたらすロングスパンの経営観
気候変動への対応として、企業には脱炭素による「緩和策」とともに、悪影響を最小限に抑えつつビジネスチャンスへ転換する「適応策」が求められるようになりました。長期的視点で気候変動のリスクと機会を分析し、経営戦略に融合させる取り組みは、BCPを新たなステージに引き上げる可能性を秘めています。BCPの未来像を聞きました。
2025/05/26
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方