2025/07/02
防災・危機管理ニュース
【ワシントン時事】日本と米国、オーストラリア、インド4カ国の協力枠組み「クアッド」の外相は1日、ワシントンの国務省で会合を開き、中国のレアアース(希土類)輸出規制などを念頭に、重要鉱物資源のサプライチェーン(供給網)構築に向け、協力を進めることで一致した。岩屋毅外相が会合後の記者会見で明らかにした。
第2次トランプ政権発足後、4カ国の外相会合は2回目。年内にはインドで首脳会合を開く方向で、岩屋氏は「良い準備ができた」と語った。
中国のレアアース輸出規制強化に伴い、各国の自動車や半導体生産などには影響が広がる。ルビオ米国務長官は会合冒頭、供給網の多様化が「あらゆる技術や産業にとって重要だ」と強調。岩屋氏は会見で「開発生産から新たな供給網構築まで具体的な協力関係をつくっていく」と説明した。
会合後に発表した共同声明では、中国が4月にレアアース輸出規制を強化したことを念頭に、供給網の「突然の締め付けと将来の信頼性を深刻に懸念している」と表明。資源供給の一国への依存は「国家安全保障を損なう」と警鐘を鳴らした。
このほか、海上保安当局による共同航行や訓練、自然災害への対応を想定した空輸能力の共有でも一致。4カ国は中国漁船を想定し、インド太平洋での違法操業を監視する「海洋状況把握(MDA)」の取り組みを強化しており、海洋安全保障分野での連携を深めていく。
会合には岩屋氏、ルビオ氏に加え、ウォン豪外相、ジャイシャンカル印外相が出席。東・南シナ海での中国による海洋進出の動きや、北朝鮮の核・ミサイル開発について「深刻な懸念」を共有した。岩屋氏は北朝鮮による日本人拉致問題の即時解決に向けた協力を求め、各国から支持を取り付けた。
〔写真説明〕1日、ワシントンの米国務省で会合に臨む(左から)岩屋毅外相、インドのジャイシャンカル外相、ルビオ米国務長官、オーストラリアのウォン外相(外務省提供・時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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