気象庁は1日、日本の7月の平均気温が平年(2020年までの30年間平均)を2.89度上回り、1898年の統計開始以来の最高記録を3年連続で更新したと発表した。一方、日本海側を中心に降水量が少なく、東北地方の日本海側は平年比13%、北陸は8%にとどまり、1946年の統計開始以来の最少記録となった。
 今年は6月の平均気温も史上最高を更新しており、同庁異常気象情報センターの及川義教所長は「夏(6~8月)の平均気温も更新する可能性が十分ある」との見方を示した。昨年の夏は一昨年と並び、2年連続で過去最高だった。
 東北の日本海側や北陸では渇水が深刻化している所がある。及川所長は「8月前半は一時的に平年並みか平年を上回る降水量が予想されるが、これまでの少雨を解消するほどの量にはならない可能性がある」と指摘。水道水や農業用水の管理に十分注意するよう呼び掛けた。
 この高温少雨は、東南アジア付近の海面水温が高く、対流活動が非常に活発な影響で、太平洋高気圧と上層のチベット高気圧が強まり、日本付近を二重に覆っているのが主因。偏西風が流れる位置は平年より大幅に北へシフトし、梅雨前線のある時期が短かった。
 地域別の平均気温の平年差は北方ほど大きく、北海道は平年を4.8度、東北は4.0度、北陸は3.6度、それぞれ上回り、いずれも統計開始以来の高温記録を更新した。
 日本近海の7月の平均海面水温も平年を1.7度上回り、1982年の統計開始以来、最も高かった。 
〔写真説明〕7月の平均気温が統計史上最高を更新した要因を説明する気象庁異常気象情報センターの及川義教所長=1日午後、東京都港区

(ニュース提供元:時事通信社)