九州を中心とした記録的な大雨で11日、熊本県では崩れた土砂に巻き込まれたり、用水路に車が転落したりして、2人が心肺停止状態で見つかった。
 甲佐町では午前4時すぎ、「車で避難しようとして土砂崩れに巻き込まれた」と30代女性が通報。消防が車内から女性と長女(4)、長男(1)の3人を救出した。午後1時半すぎ、消防が車外にいた夫とみられる50代男性を現場付近で救助したが、心肺停止状態だった。
 八代市では午後0時半ごろ、「普通乗用車が用水路に転落している」と付近の住民から119番があった。車内にいた70代女性が心肺停止の状態で病院に搬送された。
 熊本、福岡両県では10日から11日にかけ、川に流されて計5人が行方不明になったとみられる。熊本県玉名市の境川では11日午前0時すぎ、近隣女性から「人が流された」と119番があったほか、熊本市では北区と南区でそれぞれ男性1人が川に流されたとの情報がある。
 福岡県福津市の本木川では10日午後5時半ごろ、近隣住民から「高齢の男女2人が川に流された」と消防に通報があった。県によると、2人は同市に住む夫婦で、県警と消防などが捜索を続けている。
 熊本県美里町では11日午前、土砂崩れで倒壊した家屋から男性(65)が救助された。右足を骨折したという。福岡県宗像市では10日夕、県立高校の女子生徒が用水路に転落。約700メートル流されたが、自力で脱出して無事だった。 
〔写真説明〕冠水した作業場を確認する男性=11日午後、熊本県玉名市

(ニュース提供元:時事通信社)