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前回のコラム第10回-海外子会社経営リスク管理編(6)では、日本企業が抱えるコーポレートガバナンス上の課題を中心に述べ、中国子会社の監査事例をご紹介するとともに、海外子会社の内部統制についても触れました。今回から海外子会社における内部統制について詳しく述べて行きたいと思います。

1. 経営管理責任者の任命が重要な第一歩

内部統制は、良い経営者を本社の代行者として選び、任命し、経営管理責任者として内部統制を実施することから始まります。良い経営者とは「現地子会社の経営幹部を通じて、本社と合意した事業計画に沿い、現地社員に働いてもらい、期待どうりの良い業績を出す」ことを遂行できる管理能力をもつ経営管理責任者を指します。

企業によっては、海外子会社の経営管理ができる社員を日本から現地に送りこむことが難しい場合があります。その場合には、現地で経営者を雇うことになりますが、雇用後も「適切な経営者としてのパフォーマンスを確認しながら、馘首の権限を本社主導で持つ」ことが最も重要となります。日本語が話せる、現地で長く住んでいる日本人だからなどの安易な理由で現地経営者・現地経営幹部を選ぶ企業もおられますが、日本人だから問題がないわけではありません。雇用後に経営管理の丸投げ状態が続きますと、本社の目の届かないところで、不正などを起こされる原因となりますので、充分注意が必要です。