2015/04/08
防災・危機管理ニュース
~内閣府 緊急地震速報を多言語に翻訳した辞書を作成~
緊急地震速報の多言語化の一環で、国は3月30日、英語や中国語などの外国語に加え、平易な言葉による「やさしい日本語」への言い換え基準を含む「緊急地震速報の多言語辞書」を作成したと発表した。
近年、訪日外国人旅行者は大幅に増加しており、平成26年に過去最高の1300万人を超えた。在留外国人も平成26年時点で約200万人となっている。地震多発国である日本には、地震を経験したことがない外国人も数多く来日し、在留外国人の中には、日本語能力が十分でない人も含まれている。
外国人の地震被害を防止・軽減するためには、緊急地震速報の多言語化が有効ということで、国は災害発生時の外国人の安全の確保を目的として、各種情報の多言語化を促進してきた。その取組みの一つとして、気象庁、観光庁と連携し、緊急地震速報に関する表現について多言語に翻訳した「緊急地震速報の多言語辞書」を作成したもの。
多言語辞書には、情報を受け取った際に適切な行動をとれるように、「緊急地震速報」「警報」「震源」といった単語や、情報文で受け取るさまざまな表現、対応行動などについて、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、やさしい日本語を掲載している。携帯電話会社やテレビ局などの情報配信事業者が、緊急地震速報で配信することが目的。
また、多くの外国人が災害時に適切な行動がとれるよう、日本語に不慣れな外国人向けに「やさしい日本語」への翻訳表現も掲載している。小学校3、4年生程度が使う簡単な語彙と短い文、ゆっくりした話し方などが特徴。例えば、「マグニチュード」「震度」などの表記は、その横に<地震の強さ><地震の大きさ>などと書き添える。「強い揺れに備えてください」は「大きい地震がきます」「頭を守ってください」、「落ち着いてください」は「びっくりしないでください」に、「危ない場所から離れてください」は「物が落ちるところから離れてください。物が倒れるところから離れてください」などと言い換えられている。
佐藤和之弘前大学人文学部教授が代表を務める「やさしい日本語」研究会と弘大社会言語学研究室が監修を担当した。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
-
民間企業の強みを発揮し3日でアプリ開発
1月7日、SAPジャパンに能登半島地震の災害支援の依頼が届いた。石川県庁が避難所の状況を把握するため、最前線で活動していた自衛隊やDMAT(災害派遣医療チーム)の持つ避難所データを統合する依頼だった。状況が切迫するなか、同社は3日でアプリケーションを開発した。
2024/04/11
-
-
組織ごとにバラバラなフォーマットを統一
1月3日、サイボウズの災害支援チームリーダーである柴田哲史氏のもとに、内閣府特命担当の自見英子大臣から連絡が入った。能登半島地震で被害を受けた石川県庁へのIT支援要請だった。同社は自衛隊が集めた孤立集落や避難所の情報を集約・整理し、効率的な物資輸送をサポートするシステムを提供。避難者を支援する介護支援者の管理にも力を貸した。
2024/04/10
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月9日配信アーカイブ】
【4月9日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:安全配慮義務
2024/04/09
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方