2025/07/03
防災・危機管理ニュース
トカラ列島近海を震源とする群発地震は3日も非常に活発に続き、午後4時13分ごろに鹿児島県十島村・悪石島で震度6弱の揺れを観測した。気象庁によると、地震の規模(マグニチュード=M)は5.5、震源の深さは20キロと推定される。津波は起きなかった。
十島村役場によると、悪石島にいた島民ら76人は全員無事が確認されており、けが人はいないという。久保源一郎村長は、希望する住民を島外避難させる方針を表明。第1陣として4日午前7時すぎに出航する船で、小中学生6人を含む高齢者ら計13人が鹿児島市に避難するという。
県は3日、十島村に災害救助法の適用を決定した。
群発地震が6月21日に始まってから、最大の揺れ。震度5弱の地震は同30日に1回、今月2日に2回あった。3日は震度4の地震も相次ぎ、夕方までに5回起きた。
体に感じる震度1以上の地震は累計で1050回(午後5時時点)に上り、トカラ列島近海の群発地震としては統計が残る1995年12月以降で最多。過去最多だった2023年9月の回数の3倍となった。
気象庁の海老田綾貴・地震津波監視課長は記者会見し、「家屋の倒壊や土砂災害の危険性が高まっている。身の安全を図り、当分の間、震度6弱程度の地震に注意してほしい」と呼び掛けた。
地震が多発する要因については「(地震学者の間で)統一した見解がなく、政府の地震調査委員会で議論されると思う」と述べるにとどまった。
〔写真説明〕十島村役場で記者会見する久保源一郎村長=3日午後、鹿児島市
〔写真説明〕鹿児島県十島村で震度6弱の地震を観測したことを受け、記者会見する気象庁の海老田綾貴・地震津波監視課長=3日午後、東京都港区
(ニュース提供元:時事通信社)


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