【北京時事】中国の王毅共産党政治局員兼外相は2日、訪問先のベルギーで欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表(外相)と会談した。中国と対立するトランプ米政権を念頭に連携を訴えた王氏に対し、カラス氏はウクライナ侵攻を続けるロシアへの支援を即時停止するよう要請。中国によるレアアース(希土類)の輸出規制を巡っても、溝があらわになった。
 EUはかねて、中国が軍民両用品の対ロ輸出などを通じて侵攻を下支えしていると批判してきた。EU側の発表によると、カラス氏は「中国企業の対ロ支援は、欧州の安全保障にとって深刻な脅威だ」と強調。レアアースの輸出規制についても「欧州企業に重大なリスクをもたらし、世界のサプライチェーン(供給網)を危険にさらす」と述べ、解除を求めた。
 中国外務省によれば、王氏は「欧州が直面するさまざまな問題は、中国由来ではない」と主張。EU側に「現実的な対中政策」を取るよう訴えた。 
〔写真説明〕2日、ブリュッセルで会談する中国の王毅共産党政治局員兼外相(左)と欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表(外相)(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)