2025/08/17
防災・危機管理ニュース
【ニューヨーク時事】米国で大卒の若者が「就職氷河期」のような状況に陥っている。特に経済成長を引っ張ってきたIT大手を中心に採用が冷え込んでいるためだ。生成AI(人工知能)が新入社員の仕事を代替するようになり、マイクロソフトやグーグルなど一流企業で働くことを夢見て学んできた人材が行き場を失っている。
今春に米中西部の名門パデュー大学でコンピューターサイエンスの学位を取得して卒業した女性は、1年間の就職活動にもかかわらず、面接に呼ばれたのはファストフード店の週10時間の仕事だけだったとSNSで嘆いた。女性は米メディアの取材に、自分のような経歴をたどれば「初任給で6桁(10万ドル超=約1500万円超)をもらえると約束されてきた」と訴えた。
米国ではコロナ禍以降、大卒以上の若者の失業率が労働人口全体の数値を上回るようになり、足元で差は拡大傾向にある。ニューヨーク連邦準備銀行のデータによると、大卒以上の22~27歳人口の4月の失業率は5.8%と、全体の4.0%より1.8ポイント高く、差は過去最大になった。
専攻別では「コンピューターサイエンス」「コンピューター工学」の若者の失業率がそれぞれ6.1%と7.5%で、「哲学」の3.2%などより高かった。米国では長年、コンピューター関連の学位は就職に最も有利とされ、学生の人気も高いが、「売り手市場」は終わったようだ。
変化の背景に、短時間でプログラミングコードの作成などを行える生成AIの台頭が指摘されている。米エコノミストは「新卒レベルの職種はAIに置き換えたり、少なくともタスクの一部を担ったりできる」と分析。AIの方が新卒に割り当てられることが多い作業に秀でていると述べた。
米企業は、トランプ政権の高関税政策などを巡る先行き不透明感を背景に、新規採用に慎重だ。打撃を受けやすい新卒は「就職氷河期状態で、雇用の足を引っ張っている」(日系証券)とみられている。
〔写真説明〕コロンビア大学で卒業式の開始を待つ学生ら=5月21日、ニューヨーク(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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