マダニを媒介して感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の今年の感染者数が10日時点で135人となり、過去最多だった2023年の134人を上回ったことが、国立健康危機管理研究機構の集計で分かった。感染者数はさらに増える見通しで、重症化すると死に至ることもあるとして、厚生労働省が注意を呼び掛けている。
 同省によると、SFTSは主にマダニを媒介して感染するが、感染したイヌやネコからうつることもある。昨年は国内で初めて人から人への感染が確認された。
 感染すると6~14日の潜伏期間を経て、発熱や腹痛などの症状がみられる。重症化すると意識障害などを引き起こすことがあり、国内での致死率は27%という。
 これまで西日本を中心に感染が確認されていたが、今年、北海道で初めて感染が確認されるなど、東日本にも広がり始めている。
 感染を防ぐにはマダニにかまれないようにすることが重要だといい、同省はマダニが多い草むらややぶに入る際には長袖、長ズボンを着用し、足全体が隠れる靴を履くよう呼び掛けている。 
〔写真説明〕マダニ[北海道立衛生研究所提供]

(ニュース提供元:時事通信社)