ワールド ファイアーファイターズ:世界の消防新事情
2連梯子による緊急脱出法について
出初め式や防災訓練の新しい救助演技としても使えるかも?
一般社団法人 日本防災教育訓練センター 代表理事/
一般社団法人 日本国際動物救命救急協会 代表理事
サニー カミヤ
サニー カミヤ
元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際緊急援助隊。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。世田谷区防災士会理事。G4S 警備保障会社 セキュリティーコンサルタント、FCR株式会社 鉄道の人的災害対応顧問、株式会社レスキュープラス 上級災害対策指導官。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中。特定非営利活動法人ジャパンハート国際緊急救援事業顧問、特定非営利活動法人ピースウィンズ合同レスキューチームアドバイザー。
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2階建て家屋やアパートの火災現場で玄関側の開口部からの救助ができず、外壁窓から要救助者を救出する場合、さらに救出後の活動隊員が同じ開口部から脱出する場合、2連梯子を用いると思います。
ただ、2連梯子は基本的に1人ずつしか降りられませんので、複数の隊員が緊急避難しなければならないとき、緊急時の脱出に時間が掛かりすぎます。
それでは、どうやって2連梯子を使って早く脱出できるのか?
今回は、2連梯子からの緊急脱出法とその訓練方法をご紹介いたします。
まずはビデオをごらん下さい。
Firefighter Safety & Survival Head First Ladder Bail (出典:YouTube)
http://www.AllHandsFireTraining.com
下記が具体的なステップです。
ステップ1:梯子の確保。
・基底部がしっかりと地面についていること。
・両方のロック金具が確実に掛かっていることを確認。
・ロープが緩みなく展張されており、横さんに結索固定されていること。
・手すりに梯子を立てかける場合は、手すりの強度も確かめておくこと。
ステップ2:窓枠などの開口部からの脱出
・地上隊員に梯子確保指示を行い、もう1名の地上隊員に着地補助を依頼する。
・縛帯装着の場合は、縛帯の背部を前に持ってくることで引っかかりを減らす。
・フル装備で窓枠に身を乗り出せない場合は装備を脱着して降りる。
ステップ3:横さんの掴み方
・右手が利き手の場合:3段目の横さんを左手順手で掴むと同時に右手逆手で4番目の横さんをしっかりと握る。(左利きの場合は逆)
ステップ4:梯子への乗り移り
・右手逆手で4番目の横さんをしっかりと握ったら、3番目の横さんを握っていた左手を離して、5番目の横さんを握る。練習時には3番目の横さんは赤、4番目は黄色、5番目は青などのビニールテープを巻くのも一つのアイデア。
・重心バランスを取るため、心臓部を右手逆手で握っている側へ体重を移す。
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