気象庁は1日、日本の今年夏(6~8月)の平均気温が平年(2020年までの30年間平均)を2.36度も上回り、1898年の統計開始以来、最も高かったと発表した。これまでの最高記録は2023年と昨年の夏で、いずれも1.76度上回っていた。
 同庁異常気象情報センターの及川義教所長は「130年近い統計で断トツの1位であり、明らかに異常な高温だ」と指摘。「来年、再来年の夏も記録を更新し続けるかは分からないが、地球温暖化が大きな要因の一つであり、長期的には極端に暑い夏が増えるだろう」と話した。
 この高温は日本列島が太平洋高気圧と上層のチベット高気圧に覆われ、強い日差しの日が続いたのが主因。東南アジアなどの海面水温が高く、積乱雲が活発に発生したため、二つの高気圧の勢力が強まった。北の冷たい空気と南の暖かい空気の間を流れる偏西風が平年よりも北を流れ、北海道や東北に大幅な高温をもたらした。東北以外の梅雨明けが6月中と記録的に早く、猛暑が長引いた。
 月別では、6月が2.34度、7月が2.89度、それぞれ平年を上回り、統計史上最高。8月は1.84度上回って、昨年と並ぶ2位だった。夏に40度以上を観測したのは計9日、13都府県の延べ30地点となり、比較可能な2010年以降で最多。8月5日には群馬県伊勢崎市で史上最高の41.8度を観測した。 
〔写真説明〕今夏の記録的高温の要因を説明する気象庁異常気象情報センターの及川義教所長=1日午後、東京都港区の気象庁

(ニュース提供元:時事通信社)