【ジャカルタ時事】インドネシア西部スマトラ島を襲った豪雨の犠牲者は2日、700人を超えた。環境団体などは、企業活動による森林破壊が被害拡大につながった可能性があるとして、政府に対応を求めている。
 先月末の豪雨により、スマトラ島では北部を中心に洪水や地滑りが発生した。国家災害対策庁によると、死者数は702人となり、行方不明者も数百人に上る。
 現地メディアは、アブラヤシのプランテーション拡張や鉱山開発のための森林伐採が土地の保水力を低下させ、被害拡大につながったと指摘した。ラジャ林業相は11月29日、今回の洪水をきっかけに森林管理の手法を見直すべきだと述べた。
 NGO「インドネシア環境フォーラム」北スマトラ支部のリアンダ事務局長は1日の記者会見で、今回大きな被害が出た北スマトラ州では過去10年で2000ヘクタールを超える森林が破壊されたと説明。「洪水の主な原因は異常気象ではなく森林破壊だ」と強調した。 
〔写真説明〕2日、インドネシア西部スマトラ島北部のアチェ州で洪水により流された木(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)