【ワシントン、ソウル時事】米移民当局は5日、韓国・現代自動車が南部ジョージア州で建設中の工場で、韓国人を含む475人を拘束したと発表した。不法な滞在や就労をしていたと説明している。韓国の趙顕外相は6日、拘束された人のうち300人以上が韓国人だったとして「強く懸念している」と表明した。
 トランプ米政権による不法移民の取り締まりが進む中、企業活動へのリスクが顕在化した。
 韓国メディアは、拘束された韓国人は会議や契約への参加を想定したB1ビザ利用者や電子渡航認証システム(ESTA)によるビザなしの渡航者だったと報じた。「出張者」として訪米したものの、工場設備の設置などに直接関与したとして摘発された可能性がある。
 発表によれば、取り締まりは4日夜に行われた。移民税関捜査局(ICE)や連邦捜査局(FBI)などが合同で実施し、「米国史上、単一施設における取り締まり作戦としては最大規模」としている。
 韓国外務省は対策本部を設置し、米政府に憂慮を伝えた。趙氏は6日、ソウルで緊急会議を開き「必要であれば私がワシントンに行き米政府と協議する」と説明。李在明大統領は事件の報告を受けて、「米国の法執行の過程で韓国国民の権益と対米投資企業の経済活動が不当に侵害されてはならない」と強調したという。 
〔写真説明〕米南部ジョージア州で建設中の韓国・現代自動車工場で取り締まりを行う当局者=アルコール・たばこ・銃器取締局のX(旧ツイッター)より

(ニュース提供元:時事通信社)