【ニューデリー時事】アフガニスタン全土で29日からインターネット接続ができない状態となっている。イスラム主義組織タリバン暫定政権は9月中旬以降、「悪習や不道徳」の防止を理由にネット遮断に乗り出しており、措置を拡大したもようだ。カブール国際空港発着便が一部欠航するなど、混乱が生じている。
 国際的なネット監視団体「ネットブロックス」は30日、同国のネットが完全に遮断され、電話サービスも影響を受けていると指摘した。AFP通信によると、当局者は追って通知があるまで遮断が継続されるとの見方を示した上で、「他の通信手段はない。銀行や税関など全土のあらゆるものが影響を受けるだろう」と述べた。
 遮断は16日までに北部の州で確認。光ファイバー回線による接続ができなくなり、8月末の地震で甚大な被害が出た東部クナール州にも波及した。タリバン最高指導者アクンザダ師の命令という。
 経済活動だけでなく、女性向けオンライン教育への影響も危惧されている。タリバンはイスラム法の極端な解釈に基づき、小学校を除いて女性の通学を認めていない。このため、NGOなどは女性が自宅で学べるオンライン授業を提供してきた。 
〔写真説明〕建物の屋上に設置されたインターネットの通信設備と近くではためくイスラム主義組織タリバンの旗=16日、アフガニスタン北部マザリシャリフ(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)