【ワシントン時事】米連邦政府は1日、予算切れによる一部機関の閉鎖を始めた。同日から新たに2026会計年度(25年10月~26年9月)入りしたものの、与野党の対立激化で予算成立のめどは立っていない。上院は、前日通らなかったつなぎ予算案を改めて採決したが、再び否決された。一方、トランプ政権は優先的ではないと判断する事業の中止に着手した。
 政府閉鎖は、第1次トランプ政権下の18年末から19年初めにかけて以来約7年ぶり。ジョンソン下院議長(与党共和党)は記者会見で、「閉鎖が長引くほど、痛みは増す」と警告。25年度の支出水準を維持するつなぎ予算案の速やかな議会通過を訴えた。共和党は上院(議席100)で僅差の過半数を保つが、予算案通過にはフィリバスター(議事妨害)阻止のため60票を確保する必要があり、野党民主党の協力が不可欠だ。
 一方で民主党は、トランプ政権や共和党が一方的に進めた、低所得者向け医療支援削減の撤回などを予算案に含めるよう要求。民主党上院トップのシューマー院内総務は、共和党案では「医療を守れない」と強調。「共和党はわれわれとの交渉が必要だ」と訴えた。
 ただ、バンス副大統領は記者会見で「医療について交渉する前に、(予算可決で)政府再開だ」と述べた。与野党の主張は平行線をたどり、閉鎖がどれくらい続くのか不透明感が漂う。 
〔写真説明〕米連邦議会議事堂で記者団の取材に応じるジョンソン下院議長(左)=1日、ワシントン(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)