アサヒビールは6日、サイバー攻撃に伴うシステム障害の影響で、今月中を予定していたビールなど10商品の発売を延期すると発表した。対象は主力商品「スーパードライ」の新デザイン缶などで、いずれも7日から28日までに発売する予定だった。システムが復旧するめどは立っておらず、グループの食品・飲料も含めた国内約30工場の全面再開は依然として見通せない。
 一方、2日から国内のビール全6工場の生産を再開し、1日に手作業で取引先から受注した分については順次出荷している。6工場では当面スーパードライを中心に生産し、15日からは「クリアアサヒ」などを含めた16商品も出荷する。
 アサヒから供給が滞った飲食店などが他のビール大手に代替商品を注文する動きも広がり、各社は対応に追われている。キリンビールは代替品の急激な受注増に対応し切れないとして、「一番搾り」などの飲食店向けの出荷を9日から制限する。サッポロビールも3日から「黒ラベル」などの出荷を制限。サントリーも一部商品の出荷調整を実施している。 
〔写真説明〕アサヒグループホールディングス本社(中央)=東京都内(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)