国土交通省は、街路樹の倒木や枝の落下による事故を防ぐため、自治体向けのガイドライン(指針)を策定する。重点的に点検を行う路線を選定する際、交通量や樹齢を考慮するといった留意事項を盛り込む。自治体の人手や予算に限りがある中、効率的な巡回を後押しして安全確保につなげる狙いだ。2025年度中の公表を目指す。
 ガイドラインでは、重点的に点検する路線選びで、交通量や樹齢のほか、倒木発生時の影響の大きさを踏まえるよう促す。点検の効率化につながる新技術を紹介することも検討する。
 街路樹は、良好な景観づくりや歩行者の安全確保、二酸化炭素(CO2)の吸収、日差しよけ、騒音緩和の効果があり、地域によって街路樹に求められる役割が異なる。更新する場合、各地での役割を踏まえつつ、倒木や枝の落下による事故のリスクを抑えやすい中低木への植え替え検討を推奨する。また、枝が広がりにくいなど、管理が比較的容易な樹木の種類も例示する。
 自治体は、車で巡回しながら道路状態を確認する際、車内から街路樹の枝が車道にはみ出たり標識にかぶったりしていないかを確認している。ただ、国交省によると、徒歩で近接目視により街路樹を確認する「定期巡回」の実施状況は低調で、人員や予算の制約により手が回っていないとみられる。 
〔写真説明〕街路樹(写真はイメージ)

(ニュース提供元:時事通信社)