防災から水の恵みまで流域の多面的な価値を可視化する。

アウトドア事業を展開するヤマップは、日本全国の流域を網羅した3Dデジタル地図「YAMAP流域地図」に、「小学校」「自然災害伝承碑」などを表示する新機能を追加して提供する。新機能を通じて、流域全体での防災意識の向上やこどもたちの学習、水資源の可視化を支援する。

「YAMAP流域地図」は、慶応義塾大学名誉教授の岸由二氏が提唱する「流域思考」(自分たちが暮らす足もとの大地を「流域」という地形でとらえる考え方)をベースに、地球の生態系の単位である「水の流れ」をわかりやすく視覚化したもの。「令和2年7月豪雨」を契機として、同社が山・川・街・海を含む流域全体で治水する必要性を強く認識して開発に着手し、2024年5月にリリース。同年中に、洪水・土砂災害のハザードマップ表示機能を追加した。

今回追加した新機能のうち「自然災害伝承碑」表示機能は、流域地図をベースに、過去の災害の教訓を未来へとつなぐ役割の一端を担うことを目的としたもの。その流域に暮らす住民が自然災害のリスクを「自分ごと」として認識し、流域全体での防災意識を高めるきっかけになることを期待する。

「小学校」表示機能は、全国の小学校を表示することで、こどもたちが自分たちの暮らしている流域圏をより直感的に把握できるように追加した。小学校の環境教育や地理・理科の授業で、流域に関する学習を進めるための素材としての活用も提案する。

このほか「名水百選」表示機能は、名水を「点」でとらえるのではなく「流域」という面で捉えることで、その地域に名水があることの価値や意味をより広く認識できるように追加した。水関連のリスクを可視化する防災地図の側面だけでなく、地球環境にとって最大の恵みのひとつである水資源を可視化する「いのちの地図」へ進化することを目指す。

同社は今後、「流域地図」に「水・土・大気、山・森・川・海などの自然資本を計測し、表示する」機能の追加も視野に入れる。 

プレスリリース

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リスク対策.com 編集部