【ニューデリー時事】軍事衝突を続けていたパキスタンとアフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権が即時停戦で合意した。停戦協議を仲介したカタール外務省が19日発表した。停戦を確実にするため、近くトルコで再び協議が開かれる。
 合意後、パキスタンのダール副首相兼外相はX(旧ツイッター)で「正しい方向への第一歩」と歓迎。タリバンはイスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動(TTP)」を念頭に、「双方はパキスタン政府を攻撃する組織を支援しないと決めた」との声明を出した。
 TTPは国境地帯のアフガン側に潜伏し、パキスタンの治安当局を標的にテロを繰り返している。今月に入り衝突が激化したきっかけは、パキスタン軍がTTP指導者を狙い、アフガンの首都カブールなどを空爆したことだった。
 タリバン側が報復し、国境地帯を中心に激しい交戦に発展。少なくとも数十人が死亡したと報じられている。2021年にアフガンでタリバンが復権して以来、最悪の武力衝突となった。
 15日に一時停戦で合意。しかし、その後もパキスタン軍がアフガン東部を空爆し、10人が死亡していた。 
〔写真説明〕18日、アフガニスタン東部パクティカ州で、パキスタン軍の空爆による犠牲者のひつぎを囲む人々(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)