【ベルリン時事】人工知能(AI)による自動翻訳ソフトを手掛けるドイツIT企業DeepL(ディープエル)のクテロフスキー創業者兼最高経営責任者(CEO)は9日までに、時事通信など一部メディアのインタビューに応じ、現在開発中の同時通訳ソフトを「近いうちに」公開すると明らかにした。言語の壁を越えるという「人類の夢」を実現すると強調した。日本語への対応も目指している。
 既に実用化されている音声認識と自動翻訳を組み合わせた技術で、5日にベルリンで行われた同社のイベントで実演された。マイクで拾ったドイツ語を数秒遅れで、話者の声色に近づけた流ちょうな英語に変換した。クテロフスキー氏は「技術的な基礎は整っており、磨きを掛けているところだ」と述べた。
 同氏はAI開発について「驚くような結果につながりそうな道筋がたくさんある。今後数年で新たな段階に至ると確信している」と語り、社会を劇的に変える可能性があると訴えた。
 米国や中国の巨大IT企業との競争は激しいが、「研究に関しては、強力なプレーヤーになるために必要なものが全てそろっている」と自信を見せた。また、欧州でのAI規制の動きに懸念を示す一方、日本に対しては「AIが経済成長に資するという非常に強い推進力がある」と評価した。 
〔写真説明〕インタビューに応じるドイツIT企業DeepL(ディープエル)のクテロフスキー創業者兼最高経営責任者(CEO)=5日、ベルリン

(ニュース提供元:時事通信社)