2025/11/15
防災・危機管理ニュース
クマによる人身被害が過去最悪となる中、撃退用スプレーの「偽物」を買ったとの訴えが後を絶たない。インターネット上では比較的安価な商品も目立ち、「具体的な成分表示がない」「噴射距離が短い」などの苦情が相次いでいる。
大手通販サイトでは、クマ撃退をうたったスプレーがずらりと並ぶ。2000~7000円台が中心だが、中には1000円未満の商品もあった。
格安商品には「偽物」も含まれるとみられ、コメント欄には「『香辛料抽出物』とあるだけで、具体的な成分表示がない」「使ってみたが50センチほどしか飛ばなかった」といった不満の声が100件以上書き込まれていた。「このような商品に命を預けてはいけない」との意見もあった。
アウトドアグッズを販売するモンベル(大阪市)では、米国環境保護庁(EPA)の認証を受けた2商品を1万2000~1万3000円ほど(税込み)で取り扱う。唐辛子抽出成分のカプサイシンを含み、約12メートルの噴射性能を保証。クマと遭遇した際に顔に向けて噴射し、カプサイシンの刺激でひるんだ隙に背中を向けずに立ち去ることで、安全に避難できる可能性が高くなるとされる。
X(旧ツイッター)では、対人用の催涙スプレーの写真と共に「クマに効くかもしれない」とする投稿も見られるが、モンベルの担当者は「クマ用スプレーは対人用と比べて噴射距離が長い上に霧状に噴射される。威力も強く別物だ」と強調している。
消費者庁の堀井奈津子長官はクマ用スプレーについて、一般論とした上で「クマ被害は深刻な状況。人々の困りごとに便乗するものについては、引き続き迅速に注意喚起し、情報提供に努めたい」と話している。
〔写真説明〕米国環境保護庁(EPA)の認証を受けているクマ撃退用スプレー(モンベル提供)
〔写真説明〕秋田市の公園で、箱わなの前を歩くクマ=2日(同市提供)
(ニュース提供元:時事通信社)


防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
能登半島地震からまもなく2年
能登半島地震からまもなく2年。災害対応の検証も終盤に入っています。浮上した課題を反映し、災害関連法も変わりました。来年はこれらの内容をふまえた防災・BCPの見直しが加速しそうです。発災直後から被災地を調査し、石川県の初動対応を振り返る検証委員会の委員も務めた金沢大学准教授の青木賢人氏に防災・BCP強化の方向を聞きました。
2025/12/25
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/23
-
-
-
-
-









※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方