情報通信研究機構(NICT)は12日、11日午後7時ごろ太陽面で大規模な爆発現象「太陽フレア」が発生したと発表した。北西部の黒点群で観測されたもので、大量のコロナガスが地球方向へ放出された可能性があるとして、今後1~2日にかけて地球近傍に到来する恐れがあると指摘している。

 太陽フレアは、太陽の磁場が急変し、エネルギーが一気に解放される爆発現象。強いX線や紫外線が放射されるほか、コロナガスが大量に放出されると、地球の宇宙環境や電離圏が乱れ、通信や測位に影響が及ぶことがある。

 NICTによれば、今回のフレアでは高エネルギー粒子の増加や電離圏の変動が観測されており、短波通信の障害、GPS測位の誤差拡大、人工衛星の運用への影響が想定される。一方、地上の人体に直接的な健康被害が生じるレベルではないとみられている。

 太陽活動は周期的に強まる時期にあり、同規模のフレアが今後も続く可能性がある。NICTは、通信や衛星運用に従事する事業者などに対し、引き続き宇宙天気情報を確認し、必要な備えを講じるよう呼びかけている。