2025/11/17
防災・危機管理ニュース
【ニューデリー時事】インド・ニューデリーで起きた自爆テロから17日で1週間。首都でのテロは約13年ぶりで、同国社会を震撼(しんかん)させた。捜査当局は凶行の背後に、容疑者である医師らの国境をまたいだネットワークがあったとみて解明を急いでいる。
事件は旧市街にある歴史的建造物ラールキラー(赤い城)近くで発生。地元報道によると13人が死亡、20人以上が負傷した。モディ政権はテロと断定。「罪のない人々の命を奪った卑劣で臆病な行為」と非難する声明を閣議決定した。
爆発した車を運転していたのは30代の医師ウマル・ナビ容疑者(死亡)。パキスタンとの係争地カシミール地方出身で、同国に拠点を置くイスラム過激派ジェイシモハメドやカシミールの分離独立を唱える過激派とのつながりが指摘されている。
同容疑者は数年前、仲間の医師とトルコを訪れ、ジェイシモハメドの工作員と接触。同国にいる黒幕から犯行の指示を受けていた可能性があるという。一連の捜査では他の医師や聖職者ら約10人を拘束。警察は「ホワイトカラーによるテログループ」と表現した。
関係先からはテロに使われた爆弾の原料となる大量の化学物質や銃も押収された。グループは首都以外でも同時多発的な爆破テロを計画していたと報じられている。当初は12月に北部の聖地アヨドヤなどでの敢行を検討していたが、仲間の拘束を受け決行を早めたとの情報もある。
当局は、ナビ容疑者らの勤務先で、グループの拠点の一つだったとみられる首都近郊の私立大学を重点的に調べている。敷地から出てきた学生とみられる女性たちは記者の取材に応ぜず、足早に去っていった。不用意な発言で捜査対象となることを恐れているようだった。付近には情報機関職員とみられる人物が立ち、報道陣の動きを監視していた。
〔写真説明〕インドの首都ニューデリーで起きた自爆テロ現場近くで警戒に当たる警察官ら=14日
〔写真説明〕インドの首都ニューデリー近郊にある自爆テロ容疑者が勤務していた私立大学=13日、ファリダバード
(ニュース提供元:時事通信社)


防災・危機管理ニュースの他の記事
- 4月からのクマ被害196人に=10月は最多の88人―環境省
- ガザ国際部隊「創設時期示せず」=イスラエル首相発言、米に打撃か
- 実質GDP、6期ぶりマイナス=年1.8%減、米関税で輸出不振―7~9月期
- 米最新鋭空母、カリブ海入り=対ベネズエラで圧力強化
- 医師らのネットワーク解明急ぐ=首都爆破テロ1週間、黒幕トルコに?―印
おすすめ記事
-
企業存続のための経済安全保障
世界情勢の変動や地政学リスクの上昇を受け、企業の経済安全保障への関心が急速に高まっている。グローバルな環境での競争優位性を確保するため、重要技術やサプライチェーンの管理が企業存続の鍵となる。各社でリスクマネジメント強化や体制整備が進むが、取り組みは緒に就いたばかり。日本企業はどのように経済安全保障にアプローチすればいいのか。日本企業で初めて、三菱電機に設置された専門部署である経済安全保障統括室の室長を経験し、現在は、電通総研経済安全保障研究センターで副センター長を務める伊藤隆氏に聞いた。
2025/11/17
-
-
-
-
-
社長直轄のリスクマネジメント推進室を設置リスクオーナー制の導入で責任を明確化
阪急阪神ホールディングス(大阪府大阪市、嶋田泰夫代表取締役社長)は2024年4月1日、リスクマネジメント推進室を設置した。関西を中心に都市交通、不動産、エンタテインメント、情報・通信、旅行、国際輸送の6つのコア事業を展開する同社のグループ企業は100社以上。コーポレートガバナンス強化の流れを受け、責任を持ってステークホルダーに応えるため、グループ横断的なリスクマネジメントを目指している。
2025/11/13
-
リスクマネジメント体制の再構築で企業価値向上経営戦略との一体化を図る
企業を取り巻くリスクが多様化する中、企業価値を守るだけではなく、高められるリスクマネジメントが求められている。ニッスイ(東京都港区、田中輝代表取締役社長執行役員)は従来の枠組みを刷新し、リスクマネジメントと経営戦略を一体化。リスクを成長の機会としてもとらえ、社会や環境の変化に備えている。
2025/11/12
-
入国審査で10時間の取り調べスマホは丸裸で不審な動き
ロシアのウクライナ侵略開始から間もなく4年。ウクライナはなんとか持ちこたえてはいるが、ロシアの占領地域はじわじわ拡大している。EUや米国、日本は制裁の追加を続けるが停戦の可能性は皆無。プーチン大統領の心境が様変わりする兆候は見られない。ロシアを中心とする旧ソ連諸国の経済と政治情勢を専門とする北海道大学教授の服部倫卓氏は、9月に現地視察のため開戦後はじめてロシアを訪れた。そして6年ぶりのロシアで想定外の取り調べを受けた。長時間に及んだ入国審査とロシア国内の様子について聞いた。
2025/11/11
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/11/11
-






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方