2025/11/19
防災・危機管理ニュース
全国のカキ生産量の6割を占める広島県で特産の養殖カキが大量死し、影響が深刻だ。県中部の東広島市沿岸などで「8~9割が死滅」との報告が相次ぎ、県は「災害級」と指摘。養殖業者は「存続の危機」と悲鳴を上げる。海水温の上昇によるものなのか、少雨に起因するのか、原因は分かっておらず、同市の作業場を19日に視察した鈴木憲和農林水産相は、原因究明や経営支援を検討する考えを示した。
「残っているのは1割もない」。同市でカキの養殖・販売を手掛ける森尾龍也さん(49)は同日、ほぼ全滅状態のカキを前に、鈴木農水相に被害状況を説明。鈴木氏は養殖業者らとの意見交換後、「本当に厳しい状況だ。できるだけ早く現状の制度で何ができるか示したい」と語った。
隣接する呉市も被害は大きい。山根周志さん(50)の養殖場でも、水揚げしたカキの9割以上が死滅した。山根さんは「年末の贈答用の予約も受けられず、一日一日が不安でしょうがない」と肩を落とした。同市では10月末、生ガキを返礼品とするふるさと納税の寄付受け付けを一時停止。既に寄付を受けた1738件について、冷凍カキなどへの代替やキャンセルの意向の確認に追われた。
供給量が減ることで「奪い合い」を懸念する声も出ている。県西部のカキを使う広島市南区のカキ小屋では「現時点で仕入れは順調」という。ただ、ピーク時は月1トンのカキが必要になるといい、店長は「本当にカキが入ってくるのか、価格がつり上げられないか心配だ」と話した。
〔写真説明〕カキ養殖現場を視察する鈴木憲和農林水産相(左端)=19日午前、広島県東広島市
〔写真説明〕カキ養殖現場でほとんどが死滅したカキを視察する鈴木憲和農林水産相(手前左から2人目)=19日午前、広島県東広島市
〔写真説明〕ほとんどが死滅した状態で水揚げされた養殖カキ=19日午前、広島県東広島市
(ニュース提供元:時事通信社)



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