25日午後6時1分ごろ、熊本県阿蘇地方を震源とする地震があり、同県産山村で震度5強の揺れを観測した。気象庁によると、震源の深さは9キロ、地震の規模(マグニチュード=M)は5.8と推定される。その後も同県などで震度4と震度3の地震が相次いだ。
 阿蘇市によると、70代女性が市内の自宅で転倒し、軽傷を負ったという。
 同庁の海老田綾貴・地震津波監視課長は記者会見し、「地震が続発しやすい地域であり、今後1週間程度は震度5強やさらに強い揺れに注意してほしい」と呼び掛けた。
 今回の震源は、2016年4月の熊本地震でM7.3の地震(震度7)を起こした「布田川(ふたがわ)断層帯」と大分県西部の「万年山(はねやま)―崩平山(くえのひらやま)断層帯」の中間に位置する。熊本地震の際は付近で小さめの地震が多発し、その後はあまり地震が起きていなかった。
 震源の南側には阿蘇山があるが、火山活動に変化はないという。
 25日午後6時1分ごろに起きた地震の主な各地の震度は次の通り。
 震度5強=熊本県産山村
 震度5弱=熊本県阿蘇市、大分県竹田市
 震度4=熊本県菊池市
 震度3=熊本市、大分市、福岡県久留米市、佐賀市、宮崎県延岡市、愛媛県八幡浜市。 
〔写真説明〕熊本県で震度5強の地震を観測したことを受けて記者会見する気象庁の海老田綾貴・地震津波監視課長=25日午後、東京都港区

(ニュース提供元:時事通信社)