総務省消防庁は25日、大規模災害時に全国の自治体の消防から部隊を集めて被災地に派遣する「緊急消防援助隊」の資機材を強化するため、2025年度補正予算案に19億5000万円を計上する方針を固めた。2月に岩手県大船渡市で発生した山林火災を踏まえ、海や河川から大量に放水する車両「スーパーポンパー」を配備するなどし、相次ぐ火災に対応する。
 大船渡市での火災では、山間部での水利確保や、継続的な状況把握に困難が生じた。このため、スーパーポンパーのほか、走行しながら放水できる大型水槽付き車両を配備。暗闇で熱源を感知して残り火を探査できるドローンも活用し、夜間でも継続的に情報収集できる体制を整える。
 1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を受け、砂や泥、がれきなどを効率的に除去できる「高度土砂吸引車」も配備する。
 補正予算案では、消防団の資機材強化にも23億7000万円を計上する。オフロードバイクや小型動力ポンプ車などを無償で貸与するほか、背負い式水のうやウオーターチャージャーといった可搬式の消火資機材の購入費用を補助。山林火災への対応を強化する。 
〔写真説明〕山林火災の現場方面に向かう消防車両=3月10日、岩手県大船渡市

(ニュース提供元:時事通信社)