中小受託取引適正化法の概要【前編】
下請法から取適法へ
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
2025/12/16
弁護士による法制度解説
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
令和7年も残すところ約2週間となってきましたが、今年はどんな1年だったでしょうか。経済面でいえば、原材料費を含む物価、エネルギーコスト、人件費の上昇など、長年デフレの状態にあった日本においてはやや戸惑ってしまうような状況がありました。また、運送業界をはじめとするさまざまな業界において、人手不足も指摘されるようになってきました。
そのような経済社会情勢を受けて、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」)が改正され(成立:令和7年5月16日、公布:同月23日)、令和8年1月1日から施行されることになりました。
これまで下請法という通称で呼び習わされていた同法は、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(以下「取適法」)として名称も新たに、現在の経済社会情勢に対応できるよう、生まれ変わることになりました。
主な改正点としては、①用語の見直し、②適用対象の拡大、③禁止事項の追加、④面的執行の強化が挙げられます。
取適法の概要について、前編と後編の2回に分けてご説明したいと思います。
近時、下請という言葉は、契約当事者間の対等な関係を前提としておらず、上下関係を前提としているものと捉えられ、事業者の中には、下請という用語を用いずに、パートナーなどと呼ぶようになっている状況がありました。下請法でも、下表のとおり、法律名称も含め用語が改められることになりました。
少し本題から逸れますが、公正取引委員会などは、改正法の略称として、上表のとおり、「中小受託取引適正化法」を示しています。これは、令和6年11月1日から施行されている「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(以下「フリーランス法」)を意識してのものだといえます。
また、取適法の「中小受託事業者」がフリーランス法の「特定受託事業者」にも該当する場合において、委託者から違反行為がおこなわれたときは、原則としてフリーランス法が適用されると考えられています。
(参考)
特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス新法)の概要【前編】
https://www.risktaisaku.com/articles/-/96568
特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス新法)の概要【後編】
https://www.risktaisaku.com/articles/-/97009
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