中小受託取引適正化法の概要【後編】
下請法から取適法へ
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
2026/01/09
弁護士による法制度解説
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
令和8年を迎え、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」)の改正によりできた、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(以下「取適法」)が施行されました。
主な改正点として、①用語の見直し、②適用対象の拡大、③禁止事項の追加、④面的執行の強化が挙げられるところ、前編では①と②を取り上げましたので、後編では③禁止事項の追加と④面的執行の強化を取り上げてご説明したいと思います。
下請法では、親事業者に対し、①発注内容等の明示義務、②取引記録の作成・保存義務、③支払期日の設定義務、④遅延利息の支払義務という4つの義務を課していました。
取適法においても、委託事業者に課せられる義務につき、大きな点に変更はないのですが、①の発注内容等の明示義務については、これまでの書面に加えて、新たに電磁的方法(電子メール等)による明示が認められています(4条本文。なお、電磁的方法を用いることにつき、中小受託事業者の承諾は不要です)。
また、④の遅延利息の支払義務については、正当な理由なく製造委託等代金を減額した場合において、当該減額分に対する遅延利息の支払義務が追加されました(6条2項)。
取適法での義務は下表のとおりです。
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