気象庁と国土交通省は16日、防災気象情報を5段階の警戒レベルに合わせて改善し、梅雨や台風シーズンに入る前の来年5月下旬に運用を始めると発表した。自治体から最も高いレベル5「緊急安全確保」が発令される特別警報と、レベル3「高齢者等避難」が出される警報との間に、レベル4「避難指示」が出される「危険警報」を新設する。
 種別は「氾濫」と「大雨」、「土砂災害」、「高潮」の4種類。氾濫は全国約400の大河川が対象で、発表時には河川名と流域の関連する市町村名が示される。これまでの洪水警報・注意報の「洪水」を「氾濫」に改め、気象業務法・水防法の改正を受けて氾濫にも特別警報を導入し、差し迫った際に発表することにした。
 「大雨」は中小河川の氾濫や市街地、住宅地を含む低地の浸水、「土砂災害」は急傾斜地の崖崩れや土石流が対象。「高潮」は台風や低気圧で沿岸の海水面が上昇したり、波が打ち上げられたりして生じる浸水が対象。いずれも該当する地域がある市町村名が示される。
 レベル2の注意報では、住民は避難経路・場所などを確認する。レベル1は5日先までに警報級の現象が起きる可能性があるかを知らせる「早期注意情報」を受け、災害への心構えを高めるとされた。
 レベルごとに取るべき行動がすぐ分かるよう、特別警報や警報などの名称の前に「レベル5」や「レベル4」などを付けて呼ぶ工夫も取り入れた。気象庁の担当者は「情報が大きく変わるため、社会に定着するよう周知したい」と話している。 
〔写真説明〕気象庁(写真上)と国土交通省

(ニュース提供元:時事通信社)