2025/12/21
防災・危機管理ニュース
自民党と日本維新の会は来年1月召集の通常国会で、災害時に首都機能を代替する「副首都」法案の成立を目指す。維新の看板政策の一つで、政府が12年ぶりに首都直下地震の被害想定を見直したことも踏まえ、維新は必要性を唱える。ただ、維新案は本拠地・大阪の指定が前提とされ、自民の反発を招いている。
政府は19日、東京都心南部を震源とするマグニチュード7クラスの地震が発生すると、死者が最大約1万8000人に上るとの想定を公表。首都中枢機能のまひが懸念される中、維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は「首都機能のバックアップ、経済を支える、そういった副首都が必要だと改めて思う」と訴えた。大阪市内で記者団に語った。
副首都構想は維新が7月の参院選の目玉公約の一つに掲げ、10月に自民とまとめた連立合意文書に「2026年通常国会で法案を成立させる」と書き込んだ。法案化に向けた与党間の検討が進んでいる。
ベースになるのは維新が9月に作成した法案骨子だ。それによると、副首都の指定要件として「大都市地域特別区設置法による特別区が設置された地域」などと規定。政令指定都市を廃止し、東京23区のような特別区に移行する必要がある。維新は「二重行政の解消が目的」と主張するが、現時点でこの要件を目指す動きは、維新が「都構想」を掲げて2度挑戦した大阪府・市以外にない。
維新としては本拠地を副首都とすることで、大阪・関西地域の経済の起爆剤にしたいとの狙いがあるようだ。党関係者は「万博が終わり、大阪は経済的には統合型リゾート(IR)ぐらいしかない」と指摘した。
維新案に対し、自民幹部は「これでは大阪決め打ちだ。他党から賛成してもらえない」と批判。政府関係者も「大阪を副首都にするための法案と見られるので良くない」と否定的な考えを示した。国民民主党の玉木雄一郎代表も「多面的に議論することが必要だ」とけん制する。
一方、大阪以外にも「副首都」に意欲を示す自治体が出てきた。福岡市の高島宗一郎市長は10月の記者会見で「首都のバックアップ機能ということであれば福岡はまさに適地だ」と表明。「南海トラフ地震を想定したときに同時被災のリスクが最も少ない大都市は日本海側の福岡市だ」と強調した。
〔写真説明〕与党党首会談を終え、共同記者会見する高市早苗首相(左)と日本維新の会の吉村洋文代表=16日、国会内
(ニュース提供元:時事通信社)

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