山間部や海上など従来の監視が困難だった空域でもリアルタイムで航空機の動態を把握できる。

次世代モビリティとAI技術を軸に技術開発・サービス提供などを行うFaroStarは、航空機の位置を高精度に推定できるマルチラテレーション(MLAT)技術を核とした次世代航空監視システム「NeuroGridex(ニューログリデックス)」を提供する。山間部や海上など、従来の監視が困難だった空域でもリアルタイムで航空機の動態を把握できるもので、空港周辺や軍事施設での航空・防空監視のほか、海上交通の安全管理、ドローンの飛行地域における安全管理、イベント周辺での安全管理といった活用を提案する。

同システムが採用するMLAT技術は、航空機などが発信する電波信号を複数の受信局で同時に受信し、その到達時間の差(TDOA)をもとに対象の位置を高精度に算出する測位技術。3局以上の受信局を分散配置することで、山間部や海上などの通信困難地域でも航空機の位置を正確に把握できるほか、特にヘリコプターや小型機の監視に強みを持ち、災害対応や防衛用途でも応用可能。送信側に特別な装置を必要とせず、受信側の構成のみで測位が可能なため、低コストながら高精度な航空機位置推定が可能となる。

同システムの中央処理ユニットでは、AIによる信号解析・ノイズ除去・誤検知抑制を行い、リアルタイムで航空機の位置情報を生成する。また、同社が開発した衝突回避AIアルゴリズム「AURORA」との連携により、航空機の識別、軌道予測、衝突リスクの検知などをリアルタイムで行い、空域の安全性を飛躍的に向上させる。そのほか、ASTERIXやSNMPなどの標準インターフェースを通じて、外部システムとの連携も容易に行える。

同システムは、ニューラルネットワーク技術をもとに多様なセンサーから得られた情報や気象情報、他の運航状況などを集約・分析する。AIアルゴリズムがリアルタイムでセンサーデータを分析し、障害物を検知して航路を自動調整することで安全性を確保する。

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リスク対策.com 編集部