2025/12/27
防災・危機管理ニュース
【シンガポール時事】シンガポール政府は、化石燃料以外の資源を原料とする次世代ジェット燃料「持続可能な航空燃料(SAF)」の普及拡大に向け、SAFの調達費用を航空便の旅客から徴収する「SAF税」を2026年に導入する。世界初の制度とされ、航空運賃に上乗せする形で乗客に負担が生じる。
SAF税は航空業界の脱炭素を促す切り札となる。26年10月以降のシンガポール出発便が対象で、航空券としては4月からの販売分より適用される。経由便は対象外。徴収した税収は政府が新設した基金に積み立てられ、SAFの調達や管理費用に使われる。
徴収額は目的地までの距離に応じて設定される。エコノミーとプレミアムエコノミーの場合はシンガポール発の日本行き便で2.8シンガポールドル(以下Sドル、約330円)を上乗せする。最短の東南アジアまでは1Sドル(約120円)、最長の米州までが10.4Sドル(約1250円)。ビジネスとファーストはこの4倍が課され、最高税額は米州までの41.6Sドル(約5000円)。
シンガポール発の貨物便も対象で、旅客と同じ距離区分に応じて、重さ1キロ当たり0.01~0.15Sドルが課される。
国際民間航空機関(ICAO)は、国際航空分野の炭素排出量を50年までに実質ゼロとする長期目標を設定。アジア地域はSAFへの移行が欧米と比べて遅れ気味だったが、シンガポール民間航空庁(CAAS)はこれを最重要施策に位置付け、航空燃料におけるSAF比率を30年までに3~5%とする目標を掲げている。
〔写真説明〕シンガポールのチャンギ国際空港の外観=4月10日(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
- 利上げペース「数カ月に1回」=円安、低金利が影響―日銀12月会合
- 英、EVの「特権剥奪」に波紋=財政難で、普及にブレーキも
- 台湾北東部沖でM7.0=最大震度4、空港で天井落下
- 航空旅客に「SAF税」=脱炭素化へ世界初、26年導入―シンガポール
- 能登の墓じまい、地震後に900件超=以前の2・5倍、輪島で6割市外に―修復や維持難しく・地震2年
おすすめ記事
-
能登半島地震からまもなく2年
能登半島地震からまもなく2年。災害対応の検証も終盤に入っています。浮上した課題を反映し、災害関連法も変わりました。来年はこれらの内容をふまえた防災・BCPの見直しが加速しそうです。発災直後から被災地を調査し、石川県の初動対応を振り返る検証委員会の委員も務めた金沢大学准教授の青木賢人氏に防災・BCP強化の方向を聞きました。
2025/12/25
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/23
-
-
-
-
-









※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方