2026/01/15
防災・危機管理ニュース
【イスタンブール時事】反体制デモが激化したイランでインターネットの遮断が始まってから、15日で1週間となった。政府はSNS投稿を通じて、治安当局による弾圧の実態が国外に伝えられることを警戒。デモの現状や被害の把握が難しい状況が続いている。統制を緩めれば体制を揺るがしかねないとの判断から、政府は当面、現状を維持するもようだ。
英ネット監視団体「ネットブロックス」によると、8日からイランと国外をつなぐ回線はほぼ遮断されている。治安部隊が8、9日ごろにデモ隊の排除を加速させたと報じられており、遮断と弾圧強化の時期は重なる。
イランのアラグチ外相は12日、「ネット遮断は国民の安全のため」と正当化した上で、近く制限を緩和するという見通しを示した。一方で、精鋭軍事組織「革命防衛隊」に近いファルス通信は14日、「ネットで世界とつながると、街頭で暴力が増える。制限を始めてからテロ活動は減った」と主張。正常化するかどうかを決めるめどは「1~2週間後」とする記事を配信した。
米CNNテレビによれば、イランでは13日から衛星通信網「スターリンク」が無料開放された。トランプ米大統領が、スターリンクを展開する宇宙企業スペースXのマスク最高経営責任者(CEO)と協議し、デモ隊支援の一環として実現した。ただ、スターリンクでネットに接続するためには専用の機材が必要だ。また、イラン当局は、妨害電波でスターリンクによる通信を制限できるとされる。
同国メディアによると、情報省は13日、国外から違法に持ち込まれた多数の高性能通信機材を押収したと公表。「(機材は)外国の傭兵(ようへい)やテロリストの破壊工作目的だった」と説明しており、スターリンクによる接続の阻止を図っているもようだ。
デモ隊と治安部隊の衝突で、15日までに少なくとも約3500人が死亡したとみられている。米CBSテレビは関係筋の情報として、犠牲者は2万人に上る恐れがあると報じた。甚大な人的被害の詳細が判明すれば、イラン攻撃を検討するトランプ氏の対応に影響を与える可能性がある。
〔写真説明〕8日、イラン・テヘランのデモ現場で燃やされる車(ロイター時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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