2026/02/01
防災・危機管理ニュース
【ワシントン時事】トランプ米大統領は連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名するウォーシュ元理事について「古くから知っている」と、ことさら近さを強調する。そのウォーシュ氏が上院の承認を経て議長に就任すれば、トランプ氏の望む「大幅利下げ」が実現するかというと、経済情勢からも制度面からもハードルは高い。
ウォーシュ氏の妻ジェーンさんは米化粧品大手エスティ・ローダーの創業者一族で、その父はトランプ氏の有力支持者だ。トランプ氏の1期目でもFRB議長候補に挙がったウォーシュ氏は、今回の候補4人の中でも「側近」のハセット国家経済会議(NEC)委員長と並び、確かにトランプ氏に近いと言える。
ウォーシュ氏は昨年のテレビインタビューで、「人工知能(AI)導入ですべてのコストが下がる」「物価は構造的低下の初期段階にある」などと主張。「FRBは経済へのアプローチで体制転換が必要だ」と訴えた。「このまま供給ブームが続けば、FRBに大幅な利下げ余地をもたらす」(ハセット氏)といった、トランプ政権の経済高官の主張と似通う。
しかし、米国のインフレ率は依然として3%付近で推移。力強い経済成長もあり、雇用悪化のリスクは減じている。セントルイス連邦準備銀行のムサレム総裁は30日の講演で、現行政策金利の年3.50~3.75%が景気を刺激も抑制もしない「中立水準」だとし、「現時点で緩和的な領域へ利下げするのは勧められない」と断じた。
FRBの政策金利を決めるのは、ムサレム氏ら全米12地区の連銀総裁と、正副議長を含むFRB理事ら最大19人が参加する連邦公開市場委員会(FOMC)だ。議長は「投票権を持つ12人のうちの一人」(前FRB高官)でしかなく、経済指標や見通しと一致しない限り、大幅利下げを推進するのは難しい。
〔写真説明〕トランプ米大統領=1月30日、ワシントン(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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