2016/03/17
防災・危機管理ニュース
5つのフェーズで緊急事態対応を解説。
経営層、総務、リスク管理、広報部門に不可欠な1冊
本書は不祥事の対応をメインに解説しているが、不祥事以外のさまざまな危機、例えば災害対応でも、基本的な流れは同じだ。最初に行うのは事態の把握。そして次にどのような危機が起こりうるのかリスクを評価し対策を考える。その上で人命最優先の方針のもと対応にあたり、被害拡大防災と対応の改善を行うといったPDCAサイクルを回していくことが重要なのだ。
本書は、こうした緊急事態において、状況の悪化を防ぐための「先手」の対応を可能にする具体的な実務を紹介している。各フェーズで、「対策本部をどのように立ち上げ、運用していくか」、「コールセンターをどのように設置していくか」、「Q&AをWEBサイトやプレスリリースにどのように反映していくか」、「行政への対応はどのように行うか」などの実務上の細かい疑問点にも言及しているため、実際に事故が起きた際の手引書にもなるだろう。経営層はもちろん、総務、リスク管理、広報部門など各部門で読んでほしいお薦めの1冊。関連書籍として、「クレーム対応の「超」基本エッセンス、反社会的勢力排除の「超」実践ガイドブック」も、併せて危機管理に携わる方にお薦めしたい。
対策本部長の役割チェック項目(例)
・ 第一報は誰から入り、どのような初動対応をしたか
・ 被害者への謝罪(見舞い)訪問の日程・人員の調整指示は出したか
・ 被害拡大の可能性や2次3次的な問題発生の可能性は確認したか
・ 行政への届け出や説明の要否を確認したか
・ 記者会見の開催が必要か、そのタイミングは検討したか
・ 過去の類似事件や判例など、対策の検討に必要な資料は揃ったか
・ 管理体制の不備など、会社の落ち度の有無は確認できたか
・ 外部からの問い合わせには自社だけで対応できるか、緊急時コールセンターの外注が必要か否か検討したか
◆関連書籍のご紹介
ご注文はこちら⇒
- keyword
- 不祥事・風評・広報
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
企業存続のための経済安全保障
世界情勢の変動や地政学リスクの上昇を受け、企業の経済安全保障への関心が急速に高まっている。グローバルな環境での競争優位性を確保するため、重要技術やサプライチェーンの管理が企業存続の鍵となる。各社でリスクマネジメント強化や体制整備が進むが、取り組みは緒に就いたばかり。日本企業はどのように経済安全保障にアプローチすればいいのか。日本企業で初めて、三菱電機に設置された専門部署である経済安全保障統括室の室長を経験し、現在は、電通総研経済安全保障研究センターで副センター長を務める伊藤隆氏に聞いた。
2025/11/17
-
-
-
-
-
社長直轄のリスクマネジメント推進室を設置リスクオーナー制の導入で責任を明確化
阪急阪神ホールディングス(大阪府大阪市、嶋田泰夫代表取締役社長)は2024年4月1日、リスクマネジメント推進室を設置した。関西を中心に都市交通、不動産、エンタテインメント、情報・通信、旅行、国際輸送の6つのコア事業を展開する同社のグループ企業は100社以上。コーポレートガバナンス強化の流れを受け、責任を持ってステークホルダーに応えるため、グループ横断的なリスクマネジメントを目指している。
2025/11/13
-
リスクマネジメント体制の再構築で企業価値向上経営戦略との一体化を図る
企業を取り巻くリスクが多様化する中、企業価値を守るだけではなく、高められるリスクマネジメントが求められている。ニッスイ(東京都港区、田中輝代表取締役社長執行役員)は従来の枠組みを刷新し、リスクマネジメントと経営戦略を一体化。リスクを成長の機会としてもとらえ、社会や環境の変化に備えている。
2025/11/12
-
入国審査で10時間の取り調べスマホは丸裸で不審な動き
ロシアのウクライナ侵略開始から間もなく4年。ウクライナはなんとか持ちこたえてはいるが、ロシアの占領地域はじわじわ拡大している。EUや米国、日本は制裁の追加を続けるが停戦の可能性は皆無。プーチン大統領の心境が様変わりする兆候は見られない。ロシアを中心とする旧ソ連諸国の経済と政治情勢を専門とする北海道大学教授の服部倫卓氏は、9月に現地視察のため開戦後はじめてロシアを訪れた。そして6年ぶりのロシアで想定外の取り調べを受けた。長時間に及んだ入国審査とロシア国内の様子について聞いた。
2025/11/11
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/11/11
-









※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方