2026/04/17
防災・危機管理ニュース
中東情勢の悪化で、政府が石油備蓄の放出に踏み切ってから16日で1カ月が経過した。エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡が事実上封鎖され、原油の供給は滞るが、備蓄減少量は13日時点で20日分(8.3%)にとどまる。しかし、足元で減少ペースは加速、石油関連製品の調達懸念は消えていない。残る備蓄は221日分。値上げ圧力は一段と高まっている。
「年を越えて石油の供給を確保するめどが付いた」。高市早苗首相は10日、他国より潤沢な備蓄や米国からの代替調達を背景に、年明けまで必要量は確保できると強調した。当面は節電などの需要抑制措置も行わず、通常の経済活動を続けるよう求めている。
政府は3月16日、石油元売り会社の備蓄義務量を70日分から55日分に引き下げた。同26日には国家備蓄30日分と産油国共同備蓄6日分の放出に着手し、計50日分超を供給できる体制を整えた。さらに、国家備蓄20日分の追加放出も決定した。
経済産業省によると、放出開始後、3月中の備蓄減少量は6日分。封鎖前にホルムズ海峡を通過した原油タンカーが相次いで到着し、一定の輸入ペースが維持されたためとみられる。しかし、4月に入るとタンカーの入港は途切れ、13日までの減少量は14日分に拡大した。
原油はガソリンなどの燃油だけでなく、さまざまな石油化学製品の原料となるナフサに精製される。このため、サプライチェーン(供給網)の「川下」側は懸念を募らせており、塗装業者の間では塗料を薄めるシンナーが入手できないとの訴えが広がった。また、プラスチックや合成ゴム、合成繊維を使う部材の値上げも相次いでいる。
政府は調達難の解消を求める事業者の要請には丁寧に対応する構えだが、経産省幹部は「今まで通りの価格で全ての製品を従来通り入手することには難しさもある」と指摘。一定の値上げはやむを得ないとの考えを示している。
〔写真説明〕北海道の苫小牧東部国家石油備蓄基地=エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)提供
(ニュース提供元:時事通信社)

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