2026/05/01
防災・危機管理ニュース
出光興産子会社の出光タンカーが保有する原油タンカー「IDEMITSU MARU(出光丸)」がホルムズ海峡を通過した背景に、出光の石油調達とイランとの歴史的つながりが指摘されている。在日イラン大使館は29日、X(旧ツイッター)に「両国間の友情の証」と異例の投稿。日本関係船舶として4隻目の通過には、出光固有の事情が影響した可能性もある。
イランは、ホルムズ海峡を通過する船舶から通航料の徴収を始めているが、出光丸通航に関し、日本政府関係者は「支払っていない」と明言した。
日本人3人が乗船する出光丸は現在、サウジアラビア産原油200万バレルを搭載し、名古屋港に向かっている。日本関係船舶では、出光丸の前に商船三井系の船舶3隻が封鎖状態にあるホルムズ海峡を脱出したが、いずれも行き先はイランと「友好国」とされるオマーンとインド。別の政府関係者は「これまでの3隻とは全く意味が異なる」と指摘した。「日本向けの原油を積み、日本人が乗っていることを踏まえて(脱出の意義を)考えるべきだ」(関係者)との声も聞かれた。
出光とイランは、日本の石油調達を巡る「日章丸事件」で知られる。英国とイランが抗争中の1953年、当時の輸送船、日章丸が英国による海上封鎖をくぐり抜け、イラン石油を買い付けて日本に運んだ。在日イラン大使館のX投稿では、「(当時の)歴史的な任務は両国間の長きにわたる友情の証であり、レガシーは今日も極めて大きな意義を持ち続けている」とアピール。当時を想起させる船舶の写真も添えた。
国土交通省によると、出光丸の通過で、ペルシャ湾内に残る日本関係船は41隻。日本船主協会は29日、「全ての船員と船舶が一刻も早く安全かつ円滑に脱出できるよう支援をお願いする」との会長名のコメントを発表した。
〔写真説明〕出光興産子会社の出光タンカーが保有する原油タンカー「IDEMITSU MARU(出光丸)」(出光タンカーHPより引用)
(ニュース提供元:時事通信社)

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