原油先物の国際指標である米国産標準油種WTIは、2月末の米国とイスラエルによるイラン攻撃開始後に急騰。3月上旬には一時1バレル=119.48ドルと、約4年ぶりの高値を付けた。S&Pは、供給は迅速に回復せず、60ドル程度に落ち着くまで2年ほど要すると予測する。

 グルエンウォルド氏は、「海運会社は乗組員や積み荷の安全のためにホルムズ海峡の航行には極めて慎重で、保険料も高騰している」と分析。米イランが何らかの合意を結び、「安全保障上の懸念が信頼できる形で解消される必要がある」と述べた。また、湾岸地域の石油・天然ガス関連施設も攻撃で損傷しており、「ボタンを押せば2月の状態に供給が戻るという単純な話ではない」と危惧した。

画像を拡大 インタビューに応じたS&Pグローバル・レーティングのエコノミスト、ポール・グルエンウォルド氏=28日、米ニューヨーク市

 さらに、多くの中央銀行がインフレ再燃懸念を背景に、金融引き締め方向に傾いていると指摘。米連邦準備制度理事会(FRB)については「年内は当初想定されていた利下げを実施せず、来年半ばまで政策金利を据え置くだろう」と予想した。一方、米経済はなおも強靱(きょうじん)で、景気停滞と物価高が同時進行するスタグフレーションに陥る状況ではないと分析した。 (了)

 

(ニュース提供元:時事通信社)