2026/07/03
防災・危機管理ニュース
静岡県熱海市で2021年に起きた大規模な土石流災害は盛り土が一因になったとされ、規制法制定など対策強化のきっかけとなった。しかし、安全措置が講じられていない危険な盛り土は全国に少なくとも254カ所あり、うち静岡県内が3割を占める。土地所有者が指導に応じず、造成事業者の特定もままならないケースもあり、国や自治体が対応に苦慮している。
国土交通省や総務省によると、災害直後に全国約3万6000カ所を対象に総点検を実施し、1089カ所で造成許可や届け出の不備、廃棄物の投棄などの問題が確認された。このうち、擁壁や排水設備など災害防止措置の未実施は513カ所に上り、25年7月以降の追跡調査で254カ所は依然として措置が講じられていなかった。
静岡県内の危険な盛り土は129カ所から78カ所と、4割減少した。災害後に新設した専門部署「盛土対策課」が実態把握に努めるなどした成果が出ている一方、新たに造成された盛り土も確認されている。
県の担当者は「主に首都圏の建設残土が持ち込まれている」と明かす。専用窓口には年間100件程度の相談が寄せられており、土石流災害の起きた熱海市など県東部、富士山周辺に多くが集中しているという。
総務省によると、254カ所の中には、事業者側が是正指導に従わなかったり、死亡や所在不明で連絡が取れなかったりするケースがある。総務省は関係機関と自治体が連携して対応に当たるよう指示を出しているが、担当者は「契約を結ばずに口約束で造成された場合は土地所有者や造成事業者ら関係者が錯綜(さくそう)して特定が難航し、是正を阻む要因になっている」と話す。
〔写真説明〕土石流の起点となった崩落現場付近=2021年7月、静岡県熱海市
(ニュース提供元:時事通信社)

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