リスク対策.comが行った地震シミュレーションアンケートの結果から、災害対策のポイントを学ぶシリーズ3回目は代替要員です。下記の質問に対して、自社の取り組みがどの程度当てはまるか、ぜひ改めて組織内で考え、現状の対策を見直してみてください。このシリーズが終わる頃には、きっと自分たちの防災やBCPのレベルが向上しているはずです!

【質問5

災害対策本部の陣頭指揮を執るはずのトップや部門長が不在です。あなたの組織では、平時から代替メンバーがしっかり決められていると思いますか?下記の1~5の中から、最も該当する番号をお選びください。

①全くそう思わない
②あまりそう思わない
③半々
④そう思う
⑤強くそう思う

さて、どうでしょう?
ちなみに、リスク対策.comが行ったアンケート(有効回答数572)の平均値は3.55と高い数値となりました。質問全体の中では、5番目に高い点数です。

 
 
兵庫県立大学教授 木村玲欧氏のコメント

代替メンバーが決まっている組織が多いのは驚きでした。普段からトップがいない中でさまざまな業務をしていることの表れかもしれません。平時の対応が災害時にも応用できる好例だと思います。しかし、災害対応は普段の業務とは異なります。災害時には、スタッフが収集した情報をもとに、トップや部門長が移り行く状況を把握し何度も意思決定しなくてはなりません。当然トップや部門長が不在な事態も起こり得ます。トップや部門長が平時から計画を理解し、意思決定ができるようにしておくことは当然ながら、トップや部門長が不在の時には、それを代替するメンバーが代わりに意思決定を行えるように訓練しておくことも重要です。


普段でも会社にいないことが多いのが経営者。災害時に社長や副社長が不在だったという話はよく聞きます。そのため、指揮命令権者を順位付けし、トップが不在の場合などに備えておくことが重要です。同様に、各部門についても代替責任者を任命しておきます。

もちろん、平時においても、多くの組織なら代替順位は決めていると思います。しかし、安易に考えておくことは危険です。災害対応の場合、どちらも不在というケースも考えなくてはいけません。

2013年に大島町を襲った台風26号の対応については、町長も副町長も不在だったことが指摘されました。どちらも出張が多いようなら最低でも3番目ぐらいまでの代替順位は考えておいた方がいいでしょう。

また、トップ以外でも、特に属人化しているような業務については代替要員を決めておくべきですし、むしろそのことがBCPのボトルネックになっている場合も少なくありません。

ところで、改めてトップについて考えてみると、災害対策本部長となるトップの役割はどのようなものでしょう? そこが明確でなければ代替メンバーを決めても、何をやっていいのか分からない、あるいは逆に災害対応の妨げになる危険すらあります。