2026/07/05
防災・危機管理ニュース
【ニューヨーク時事】米イランの戦闘終結に向けた覚書合意を受けたホルムズ海峡の通航回復で、世界の原油供給が不足状態から一転して過剰になるとの見方が強まっている。中東産油国からの輸出再開に加え、米国産の輸出も堅調な一方、主要輸入国の中国などの需要は低調にとどまる可能性がある。
米国産標準油種WTIの先物価格は3月、ホルムズ通航制限から一時1バレル=120ドル近くまで高騰。その後、米イランの覚書合意をきっかけに、供給回復期待から6月中旬以降は大幅に下落した。足元で70ドルの節目を割り込み、ほぼ紛争前の水準に戻った。
米金融大手ゴールドマン・サックスのアナリストは6月末、米メディアに対し、ホルムズ海峡を通過する原油輸送は「7月末までに正常化する」との見通しを示した。日本を含む主要国は今後、供給不足への対応で取り崩してきた原油備蓄の補充に取り組むとみられるが、その分を考慮しても来年に世界全体で「日量200万バレル近い供給過剰となる」と予測した。
原油日量200万バレルは、日本の1日当たり消費量の約6割に相当する。最近まで深刻な供給不足のリスクに警鐘を鳴らしていた他の金融大手も、供給過剰シナリオの提示や原油先物相場見通しの下方修正を相次いで行った。
ただ、こうした予測は米イランの戦闘の完全な終結を前提としており、情勢が再び緊迫化する恐れが付きまとう。景気動向次第では、中国の輸入量が回復する可能性を指摘する声も出ている。
〔写真説明〕オマーン北部沖のホルムズ海峡に停泊する船舶=5月17日(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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