政府はこのほど、2026年版防災白書を閣議決定した。今年の特集テーマは「国難級の地震・津波」。東日本大震災から15年、熊本地震から10年の節目を迎える中、過去の災害の教訓を振り返るとともに、首都直下地震や南海トラフ地震など将来想定される国難級の巨大災害への備えを総合的に整理した。企業に対しては事業継続計画(BCP)の実効性向上や地域との連携強化を求める内容となっている。

特集では、まず地震・津波の発生メカニズムを解説し、日本海溝・千島海溝地震、首都直下地震、南海トラフ地震といった国難級災害の被害想定を紹介。その上で、国や自治体、企業、国民それぞれに求められる備えを整理している。

企業に対しては、巨大地震発生時でも重要業務を継続できる体制づくりや、地域社会との連携強化を期待すると明記した。一方、国民には住宅の耐震化や家具の固定、家庭での備蓄、避難行動の確認など、日常から実践できる備えを呼び掛けている。

また、関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震など過去の災害を振り返り、それぞれを契機として耐震基準の強化やボランティア制度、プッシュ型支援、広域避難制度など、防災制度が発展してきた経緯を紹介している。過去の教訓を風化させることなく、次の大規模災害への備えにつなげることの重要性を強調した。

特集の最後では、事前防災から応急対応、復旧・復興までを一体的に推進する「第1次国土強靱化実施中期計画」を紹介し、国難級災害に備える国全体の取り組みを示している。