左より矢野氏、磯田氏、鈴木氏

ガートナージャパンの「セキュリティ&リスク・マネジメントサミット 2026」が7月22日に開幕した。2026年の「日本におけるセキュリティの重要論点」をテーマにした講演では、同社の礒田優一氏、矢野薫氏、鈴木弘之氏が登壇し、激変するAI時代のサイバーセキュリティについて説明した。

バイス プレジデント
チーム マネージャー 礒田 優一氏

磯田氏は26年前半を振り返り、1月のベネズエラや2月のイランへの米国からの攻撃でAIが利用されたことや4月に米アンソロピック社から発表された新AI・ミュトスの登場を踏まえ、「AIの可能性と影の深さも浮き彫りになった」と話す。AIにより現在はサイバーセキュリティの歴史的な転換点にあり、過去の延長ではない、新しい時代のセキュリティガバナンスが必要だと語り、「禁止するのではなく自由を与え、自由だけでなく責任を付与」した、柔軟性のある対応の加速を求めた。
 

シニア ディレクター
アナリスト 矢野 薫氏

矢野氏は、AIの実行内容やそのプロセスが毎回異なる非決定論的である特徴から、「現在のサイバーセキュリティでは守る側も変化に合わせて自由に形を変えていく必要がある」を指摘。マシーンスピードのAIに対して事前に決めたルールは有効な策になりえず、データセキュリティ、権限管理、従業員のセキュリティアライアンスのそれぞれで、動的なセキュリティが求められていると述べ、「AIリスクの評価と異常検知、積極的統制」に関する技術と戦術を伝えた。
 

ディレクター
アナリスト 鈴木 弘之氏

鈴木氏は「AIを敵ではなく味方として活用」する重要性を強調。脆弱(ぜいじゃく)性管理が十分でない現実を踏まえ、脆弱性管理の認識ギャップの解消や診断やテストなどの手法見直し、先制的な技術導入という3つの行動を提案した。組織内の部門間の壁を越え、より広い視点を持つことで開ける未来を情熱的に語った。