2026/07/29
防災・危機管理ニュース
震度6強の揺れに襲われた熊本県八代市では、神社や名勝の建物も崩れるなどした。住民らは「命の危険を感じた」「立っていられないくらいだった」と口々に語った。
安否不明者の捜索が続く日本製紙八代工場近くで商店を営む松岡俊英さん(71)と妻の明美さん(68)は、工場から避難してきた従業員らに店の飲料水やアイスクリームを振る舞った。これまでも多くの従業員に利用してもらっていたといい、「生きていてほしい。助かってほしい」と祈った。
国の名勝「松浜軒」は、建物の外壁が剥がれ落ち、周囲にガラスや木片が飛び散った。近所に住む男性(78)は2016年4月の熊本地震を思い起こして「10年前は耐えていた」と唇をかみ、「前回の地震よりも大きな揺れに感じた」と話した。
「余震が続いていたので、家にいる方が心配だった」。主婦の長瀬邑緋さん(26)は、3人の子どもと庭園の近くの駐車場で車中泊した。「子どもが泣いたりしてうるさくなるかなと思った」と避難所には行かなかった。慣れない環境に「体が痛くて寝られなかった」と語った。
自宅マンションが被災し、夫(87)と車中泊した女性(87)は「(食器棚などが倒れ)足の踏み場もなかった。命の危険を感じた」と回想した。
市役所の近くの神社「八代宮」の禰宜(ねぎ)竹原正崇さん(49)は、拝殿が崩壊する瞬間を目の当たりにし、「柱が傾いて、スライドするように崩れた」と振り返った。16年の熊本地震からの復興が進む中、「またかという気持ちだ」と肩を落とした。
八代市で生まれ育った鷲山和史さん(48)は、変わり果てた八代宮を見ながら「感情もない。元に戻るのだろうか」と言葉を詰まらせた。「毎年、参拝に来ていたので残念」と無念な思いを明かす一方、「今は自分より大変な状況の人もいる。これから友人の職場の片付けを手伝いに行く」と力を込めた。
〔写真説明〕地震で倒壊した国の名勝、松浜軒=29日午前、熊本県八代市
〔写真説明〕地震で倒壊した八代宮の拝殿=29日午前、熊本県八代市
〔写真説明〕地震によって損壊した日本製紙八代工場=29日午後、熊本県八代市
〔写真説明〕地震で崩れた八代宮の鳥居=29日午前、熊本県八代市
〔写真説明〕地震で倒壊した国の名勝、松浜軒=29日午前、熊本県八代市
(ニュース提供元:時事通信社)





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