来年度税制改正に向けた各省庁の要望が31日、出そろった。企業の成長投資促進など高市政権が目指す「強い経済」の実現を意識した要望が目立つ。仕事と子育て・介護の両立や、賃上げを支援する措置も並んだ。政府と与党の税制調査会が審議し、年末に税制改正大綱をまとめる。
 経済産業省は、企業の事業売却益への法人税課税を繰り延べる「事業ポートフォリオ転換・強化促進税制」創設を要望した。事業再編時の企業の手元資金を厚くし、新たな事業買収による成長投資につなげる。最先端半導体の量産化を目指すラピダス(東京)を巡り、工場などの政府保有資産を株式と交換する「現物出資」に伴う税負担減免も求めた。
 中小企業の「稼ぐ力」の強化に向けては、贈与税・相続税を減免する事業承継税制を抜本的に見直し、設備投資などを促す。今年度末が期限の賃上げ促進税制は適用期間を3年間延長し、一段の賃上げへ適用要件も見直す。
 経産省と厚生労働省、こども家庭庁は、家事支援サービスやベビーシッターを利用した個人への税優遇の新設を共同で要望。子育てや介護による離職を防ぎ、労働力を確保する。こども家庭庁は、子育て支援に取り組む企業への優遇措置も求めた。一方、同庁は、祖父母などから一括譲渡された結婚・子育て資金の贈与税非課税措置は今年度限りで廃止する。
 財務省と金融庁は、個人向け国債の税優遇を要望した。国債の安定発行維持へ、個人を受け皿としたい考え。金融庁は、暗号資産(仮想通貨)「ステーブルコイン」を高額決済でも利用しやすくする措置も盛り込んだ。
 国土交通省は、新築マンションの価格高騰対策として投機的取引の抑制措置を要望。環境省は全国で相次ぐクマ被害を受け、ハンターが納める狩猟税の免除を求めた。 
〔写真説明〕霞が関の官庁街=東京都千代田区

(ニュース提供元:時事通信社)